この単元の「熱中」は、人が自分から続けたくなっている状態を指します。 無理にやらされている状態や、まわりに合わせているだけの状態とは違います。
素材のみかみさん(発信者)の動画は、この熱中が生まれる仕組みを、強い言葉で例えて話しています。 この講座では、その例えは使いません。「人が熱中する仕組みの分析」として、落ち着いた言葉に言い換えて書きます。
仕組みが分かると、人を思いどおりに動かすこともできてしまいます。 この講座では、人を操る・抜けられなくする・追い詰めるために使うことはしません。
使ってよいのは、メンバーが幸せになり、自分で選んで続けられる場を作るためです。 この考え方は、第1章③でもう一度出てきます。
本音の文化は、意見・疑問・不満・困りごとを、遠慮しすぎず言える雰囲気のことです。 乱暴な言い方をしてよい、という意味ではありません。
もう1つ、言葉の注意があります。 字幕には、Addness(みかみさんの会社が作っているゴール管理ツール)が「アドネス」などと崩れて出ます。この単元では直して書きます。
○ 関係する単元:No.04(ルールは少なく)、No.05(褒める・叱る)
○ 動画の例は、みかみさんの会社(Addness)の例です。あなたの事業にそのまま入れる必要はありません
みかみさんは動画で、熱中が生まれる条件を、順に話しています。 ここでは3つに整理します。
1つ目は、組織の土台になる考え方です。 「社長の好み」ではなく、誰が言っても成り立つ。まず反論しにくい。そういう考え方を土台に置く、と話しています。
例として、みかみさんの会社では「価値提供(相手の役に立つこと)を通じて、幸福を作る」を土台にしています。 自分で一から作るのは難しいので、すでに強い考え方を取り入れたほうがよい、とも言っています。
もう1つ大事なのは、上に立つ人が考え抜くことです。 部下から指摘されそうなことを先に考え、その穴を理屈で埋めておく。そうすれば、疑問が出ても説明できます。
2つ目は、その考え方で日々の行動が変わり、実際にうまくいくことです。 動画では、日常がうまくいくルールでなければ、広めても意味がない、と言っています。
そして、うまくいくから、メンバーが自分から広めたくなる。 広めることが「正しいこと」として共有されている状態です。
3つ目は、メンバーが幸せになることです。 みかみさんは、この点が一番大事だと話しています。
理由は、メンバーが幸福にならない仕組みは、続かないからです。 一時的に盛り上がっても、持続しない。長く残るものは、メンバーが幸せになっているものだ、という見方です。
ここが、悪用との境目です。 メンバーを幸せにしない使い方は、動画の説明の中でも、続かないものとして扱われています。
○ 独自の言葉について:みかみさんは、誤解を防ぐために、会社の中で独自の言葉を作っていると話しています。ただし、外の人には分かりにくくなります。あなたが使う時は、一言説明を添えるのが安全です
○ 動画で「他の価値観を認めない」という趣旨の話も出ますが、この講座では取り上げません。人に考えを押し付けることは、この単元の立場と合わないためです
ここは「みかみさんの会社の例」です。宣伝ではなく、土台の考え方が、実際にどう書かれているかの見本として読みます。
みかみさんの会社の根っこは、次のような趣旨です。 「あなたが世界一幸福になれるなら、ここにいなさい。ここより幸福になれる場所があるなら、そこに行きなさい」。
会社の売上のために引き止めない、と話しています。 その上で、関わる間は、お互いに価値を届け合う。この考えが、第1章③の「幸福にならないものは続かない」とつながっています。
つまり、抜けたい人を止めない前提で作られています。
みかみさんは、これを「ウェルビーイングを追い合い、長く続く関係を築く」とまとめています。 その具体的な行動が、次の5つです。
1つだけ補足します。 「担当領域で世界一」は、世界の一位になれ、という意味ではありません。たった1人でも、その人にとっての世界一を目指す、と話しています。
この5つは、みかみさんの会社の約束です。 あなたの事業にそのまま移す必要はありません。
見るところは、2つです。 土台の考え方が「行動の約束」に落ちていること。そして、その約束が、メンバーの幸福を前提にしていること。
○ よくある勘違い:「5つの約束を全部入れれば同じ組織になる」ではありません。動画では、約束のほかに、上に立つ人が考え抜くことも必要だと話しています(第1章①)
○ 5つの約束の名前は、字幕の聞き取りで書いています。正式な表記は確かめられていません。幸福の5つの要素のうち、5つ目の言い方も、字幕が崩れていて「成長」と書くにとどめました
本音の話は、別の動画(ゾス山本さんとの対談)にあります。 この対談の中心は昭和と令和の価値観の違いで、仕組みの話は少なめです。ここでは、字幕で確かめられた部分だけを使います。
対談では、人の集まりを2つに分けて考える話が出ます。 かしこまって建前を言わなければならない公の場と、何を言ってもよい親しい仲間の場です。
今は、監視されるような空気や、SNSの広がりで、表向きの場だらけになっている。ゾス山本さんは、そう見ています。 本音を言えないと、考えることも減る、という話です。
ゾス山本さんは、自分の会社では本音で言い合っていると話しています。 不平不満があれば、その場で言う。会社の数字や給料なども開示していて、隠し事がない、という例です。
理由はこうです。 怒られないよう嘘をつくほうが息苦しい。ぶつかることで磨かれ、オープンでないと新しいことが起きない、と話しています。
一方で、ハレーション(反発)も起きる、とも言っています。 また、「言いたいことを言ってください」と言っても、200人の前で質問が出なかった、という話もあります。言える場を作っても、すぐには言えないのです。
ここから先は、動画の話ではなく、あなたの事業に当てはめた時の考えです。 特に家族経営では、2つの難しさがあります。
どちらも、本音を言える場を作る時の注意になります。 たとえば、本音を言う場の時間と、話題を決めておく。批判は人ではなく、仕事の進め方に向ける。そういう小さな約束から始められます。
もう1つ、とても大事な注意があります。 訪問介護のように雇用しているスタッフがいる事業では、「本音を言え」と強く迫ることが、ハラスメントになる場合があります。詳しくはNo.05と、社労士など専門家への確認をお勧めします。
熱中の仕組みは、土台の考え方・日常の成果・メンバーの幸福の3つで見られる。悪用はしない。本音を言える場は、家族経営では「言いにくい」と「言いすぎ」の両方に気をつける。
自分の事業を1つ選び、「本音を言える場」の小さな約束を考えます(10分)。
雇用しているスタッフがいる場合は、強制にならないように気をつけます。 利用者さんなど、本人が分かる名前は書かないでください。
問1 動画をもとにした、人が熱中する組織の形として、この単元に合うのはどれですか。
問2 この単元の立場として、正しいのはどれですか。
問3 家族経営で本音を言える場を作る時の考えとして、この単元に合うのはどれですか。
出典:みかみ『【悪用厳禁】東大生が実践し30億稼いだカルト宗教から学ぶ最強の組織論。』(YouTube, 2026-02-27, https://www.youtube.com/watch?v=edScFjaJbR0)/みかみ『【ゾス山本×三上】昭和VS令和!働き方・経営論に対してお互いの意見がぶつかり合う。』(YouTube, 2025-12-11, https://www.youtube.com/watch?v=KRQIW6CIJiw)