組織と経営の講座

区分3 目標を分け、熱を保つ★★

No.08 人が熱中する組織と、本音を言える文化

人が「続けたい」と熱中する組織には分析できる形があること、そして本音を言える場の作り方を学びます。区分3の最後の回で、仕組みの話は動画の一部だけなので、さらっと読みます。
目次
  1. 第0章 前提知識
  2. 第1章 人が熱中する組織の形
  3. 第2章 みかみさんの会社の例:行動の約束
  4. 第3章 本音を言える文化
  5. 第4章 やってみよう
  6. 確認問題

第0章 前提知識

① 熱中 :時間を忘れて、自分から続けたくなる状態

この単元の「熱中」は、人が自分から続けたくなっている状態を指します。 無理にやらされている状態や、まわりに合わせているだけの状態とは違います。

素材のみかみさん(発信者)の動画は、この熱中が生まれる仕組みを、強い言葉で例えて話しています。 この講座では、その例えは使いません。「人が熱中する仕組みの分析」として、落ち着いた言葉に言い換えて書きます。

② この単元の立場 :悪用はしない

仕組みが分かると、人を思いどおりに動かすこともできてしまいます。 この講座では、人を操る・抜けられなくする・追い詰めるために使うことはしません。

使ってよいのは、メンバーが幸せになり、自分で選んで続けられる場を作るためです。 この考え方は、第1章③でもう一度出てきます。

③ 本音の文化 :思ったことを、安心して言える雰囲気

本音の文化は、意見・疑問・不満・困りごとを、遠慮しすぎず言える雰囲気のことです。 乱暴な言い方をしてよい、という意味ではありません。

もう1つ、言葉の注意があります。 字幕には、Addness(みかみさんの会社が作っているゴール管理ツール)が「アドネス」などと崩れて出ます。この単元では直して書きます。

○ 関係する単元:No.04(ルールは少なく)、No.05(褒める・叱る)
○ 動画の例は、みかみさんの会社(Addness)の例です。あなたの事業にそのまま入れる必要はありません

第1章 人が熱中する組織の形

みかみさんは動画で、熱中が生まれる条件を、順に話しています。 ここでは3つに整理します。

① 一人の好みを超えた、土台の考え方がある 必ず覚える

1つ目は、組織の土台になる考え方です。 「社長の好み」ではなく、誰が言っても成り立つ。まず反論しにくい。そういう考え方を土台に置く、と話しています。

例として、みかみさんの会社では「価値提供(相手の役に立つこと)を通じて、幸福を作る」を土台にしています。 自分で一から作るのは難しいので、すでに強い考え方を取り入れたほうがよい、とも言っています。

もう1つ大事なのは、上に立つ人が考え抜くことです。 部下から指摘されそうなことを先に考え、その穴を理屈で埋めておく。そうすれば、疑問が出ても説明できます。

② 日常が実際にうまくいき、広めたくなる さらっと

2つ目は、その考え方で日々の行動が変わり、実際にうまくいくことです。 動画では、日常がうまくいくルールでなければ、広めても意味がない、と言っています。

そして、うまくいくから、メンバーが自分から広めたくなる。 広めることが「正しいこと」として共有されている状態です。

③ メンバーが幸せになる :幸福にならないものは続かない 必ず覚える

3つ目は、メンバーが幸せになることです。 みかみさんは、この点が一番大事だと話しています。

理由は、メンバーが幸福にならない仕組みは、続かないからです。 一時的に盛り上がっても、持続しない。長く残るものは、メンバーが幸せになっているものだ、という見方です。

ここが、悪用との境目です。 メンバーを幸せにしない使い方は、動画の説明の中でも、続かないものとして扱われています。

○ 独自の言葉について:みかみさんは、誤解を防ぐために、会社の中で独自の言葉を作っていると話しています。ただし、外の人には分かりにくくなります。あなたが使う時は、一言説明を添えるのが安全です
○ 動画で「他の価値観を認めない」という趣旨の話も出ますが、この講座では取り上げません。人に考えを押し付けることは、この単元の立場と合わないためです

第2章 みかみさんの会社の例:行動の約束

ここは「みかみさんの会社の例」です。宣伝ではなく、土台の考え方が、実際にどう書かれているかの見本として読みます。

① 根っこの考え :ここより幸福な場所があるなら、そちらへ 必ず覚える

みかみさんの会社の根っこは、次のような趣旨です。 「あなたが世界一幸福になれるなら、ここにいなさい。ここより幸福になれる場所があるなら、そこに行きなさい」。

会社の売上のために引き止めない、と話しています。 その上で、関わる間は、お互いに価値を届け合う。この考えが、第1章③の「幸福にならないものは続かない」とつながっています。

つまり、抜けたい人を止めない前提で作られています。

② 5つの約束 :動画での言い方 さらっと

みかみさんは、これを「ウェルビーイングを追い合い、長く続く関係を築く」とまとめています。 その具体的な行動が、次の5つです。

1つだけ補足します。 「担当領域で世界一」は、世界の一位になれ、という意味ではありません。たった1人でも、その人にとっての世界一を目指す、と話しています。

③ この例の使い方 :全部は真似しない 深追いしない

この5つは、みかみさんの会社の約束です。 あなたの事業にそのまま移す必要はありません。

見るところは、2つです。 土台の考え方が「行動の約束」に落ちていること。そして、その約束が、メンバーの幸福を前提にしていること。

○ よくある勘違い:「5つの約束を全部入れれば同じ組織になる」ではありません。動画では、約束のほかに、上に立つ人が考え抜くことも必要だと話しています(第1章①)
○ 5つの約束の名前は、字幕の聞き取りで書いています。正式な表記は確かめられていません。幸福の5つの要素のうち、5つ目の言い方も、字幕が崩れていて「成長」と書くにとどめました

第3章 本音を言える文化

本音の話は、別の動画(ゾス山本さんとの対談)にあります。 この対談の中心は昭和と令和の価値観の違いで、仕組みの話は少なめです。ここでは、字幕で確かめられた部分だけを使います。

① 表向きの場と、本音の場 さらっと

対談では、人の集まりを2つに分けて考える話が出ます。 かしこまって建前を言わなければならない公の場と、何を言ってもよい親しい仲間の場です。

今は、監視されるような空気や、SNSの広がりで、表向きの場だらけになっている。ゾス山本さんは、そう見ています。 本音を言えないと、考えることも減る、という話です。

② ゾス山本さんの会社の例 必ず覚える

ゾス山本さんは、自分の会社では本音で言い合っていると話しています。 不平不満があれば、その場で言う。会社の数字や給料なども開示していて、隠し事がない、という例です。

理由はこうです。 怒られないよう嘘をつくほうが息苦しい。ぶつかることで磨かれ、オープンでないと新しいことが起きない、と話しています。

一方で、ハレーション(反発)も起きる、とも言っています。 また、「言いたいことを言ってください」と言っても、200人の前で質問が出なかった、という話もあります。言える場を作っても、すぐには言えないのです。

③ あなたの事業に当てはめると :ここは動画の主張ではありません

ここから先は、動画の話ではなく、あなたの事業に当てはめた時の考えです。 特に家族経営では、2つの難しさがあります。

どちらも、本音を言える場を作る時の注意になります。 たとえば、本音を言う場の時間と、話題を決めておく。批判は人ではなく、仕事の進め方に向ける。そういう小さな約束から始められます。

もう1つ、とても大事な注意があります。 訪問介護のように雇用しているスタッフがいる事業では、「本音を言え」と強く迫ることが、ハラスメントになる場合があります。詳しくはNo.05と、社労士など専門家への確認をお勧めします。

熱中の仕組みは、土台の考え方・日常の成果・メンバーの幸福の3つで見られる。悪用はしない。本音を言える場は、家族経営では「言いにくい」と「言いすぎ」の両方に気をつける。

第4章 やってみよう

自分の事業を1つ選び、「本音を言える場」の小さな約束を考えます(10分)。

  1. 事業を1つ選ぶ(訪問介護・ダンススタジオ・Kindle出版・コンテンツ販売のどれか)
  2. 今、メンバー(ヘルパーさん・先生・外部の協力者など、役割で書く)が言いにくそうなことを、1つ書く
  3. それを言える場を、1つだけ考える(時間・話題・言い方のうち、1つを決める)
  4. その場で「やらないこと」を1つ決める(人を責めない、など)

雇用しているスタッフがいる場合は、強制にならないように気をつけます。 利用者さんなど、本人が分かる名前は書かないでください。

確認問題

問1 動画をもとにした、人が熱中する組織の形として、この単元に合うのはどれですか。

問2 この単元の立場として、正しいのはどれですか。

問3 家族経営で本音を言える場を作る時の考えとして、この単元に合うのはどれですか。

出典:みかみ『【悪用厳禁】東大生が実践し30億稼いだカルト宗教から学ぶ最強の組織論。』(YouTube, 2026-02-27, https://www.youtube.com/watch?v=edScFjaJbR0)/みかみ『【ゾス山本×三上】昭和VS令和!働き方・経営論に対してお互いの意見がぶつかり合う。』(YouTube, 2025-12-11, https://www.youtube.com/watch?v=KRQIW6CIJiw)