みかみさん(発信者)は、組織が目的を達成するために必要なことを、4つにまとめています。 4つとは、リソース、意思決定、アラインメント、学習です。動画では、この4つがそろえば、大体どんな目的も達成できる、と言っています。
まず、言葉の意味を一言ずつ押さえます。
動画は、目的を「山の頂上に行く」ことにたとえて、4つを説明しています。 頂上に行くには、やらなければいけないことが山ほどあります。その1つひとつがToDoです。
このたとえを使うと、4つの要素が頭に入りやすくなります。 人手があるか、何に使うか、道からそれていないか、できない人ができるようになるか。この4つを、順に見ていきます。
この単元は、4つの要素と、誰が意思決定をするかまでを扱います。 どうやって目標をToDoに分けるかの具体例は No.07、ルールの作り方は No.04、褒める・叱る場面は No.05、評価の順番は No.06 で扱います(後で出ます)。
○ 関係する単元:No.02(組織は共通の目的を達成するための集団。人が増える得と損)。そこを読んでいなくても、この単元は読めます
○ 動画の呼び名:字幕では「アラインメント」が「アライン面」のように崩れて出ます。この講座では「アラインメント」と書きます
1つ目はリソースです。 頂上に行くために必要なToDoは、ものすごく多いので、1人では絶対にできません。だから、必要なToDoを全部処理できるだけの人手が要る、と動画は言っています。
これは、基本の基本です。 人手が足りなければ、他の3つが完璧でも、目的には届きません。目的に必要なToDoを全部こなせるリソースがあること。これが1つ目の条件です。
あなたの事業なら、「今の人数で、今期やりたいことのToDoが全部こなせるか」を考えることにあたります。 動画では、採用はリソースにあたる、と整理されています。
2つ目は意思決定です。 人手が十分にあっても、全員でお花見をしていたら、頂上には着きません。適切に、リソースを何に使うかを決めなければいけない、と動画は言っています。
意思決定は、動画のあとのほうで、もう少し具体的に言い換えられています。 それは、目的をToDoに変換する作業です。目的を決めただけでは、人は動けません。何をやるかまで落とすのが、意思決定です。
動画では、タスクを作ることや、どんなプロジェクトをやるかを決めることも、意思決定にあたる、と整理されています。 この変換の具体例は、No.07 で詳しく扱います。ここでは「目的をToDoに変える作業」とだけ覚えてください。
○ よくある勘違い:「人が多ければ目的に近づく」ではありません。リソースがあっても、使い方を決めなければ、お花見になります
○ 関係する単元:意思決定の中身は No.07(目標から逆算して作業に分ける)
リソース(人手)と意思決定(何に使うかを決める)。この2つがそろって、はじめて動ける。
3つ目はアラインメント(目的からずれないようにすること)です。 意思決定のあと、みんなにそれぞれの担当が振られます。その担当を、振られた人がちゃんとやっているかを、ずれないように保つのが、アラインメントです。
動画は、サッカー部の例で説明しています。 「全国大会に行くぞ」と決めたのに、部員が「いかに部活を楽しむか」ばかりを考え始めたとします。楽しむのは悪いことではありません。でも、もともとは「全国大会に行く手段として楽しむ」という話でした。 それがいつの間にか「楽しくないなら、全国大会に行かなくてもいい」に変わってしまう。こういうずれが、組織では起きやすいと言っています。
そうならないために、「俺たちの目的は何だっけ」「あなたの担当は何だっけ」を、本人に思い出させます。 これがアラインメントです。動画は、多くの人がここでつまずく、とも言っています。ここが危ないところだ、という話です。
動画では、進み具合の確認や管理(マネジメント)、定例会議が、アラインメントにあたる、と整理されています。
4つ目は学習です。 振られたToDoができない人がいたら、その人ができるようにならなければいけません。ここまでが4つ目です。
動画では、各自がいろいろなところで調べたり、AIに聞いたりして学んでいくこと、と言っています。 また、マニュアルは学習の支援だと整理されています。マニュアルを書くことが、組織づくりの中心ではなく、4つ目の「学習」の一部だ、という位置づけです。
聞き手は「マニュアルを書くことを想像していた」と言っています。 みかみさんは、マニュアルは組織づくりの中心ではないと答え、組織の動かし方のすべては、4つの要素で整理できる、と続けています。 マニュアルが要らない、という意味ではありません。訪問介護のように手順を守ることが大事な仕事では、マニュアルは「学習」を支える大事な道具です。
4つの要素は、1つずつ独立したものではありません。 動画では、リソースが十分にあり、適切に意思決定され、アラインメントが保たれた状態で、みんなが学習していけば、必ず目的は達成される、と言っています。
これを、トップの人が順に回していく、というのが、みかみさんの組織の作り方の本質です。 動画の中で挙がった対応を、表にまとめます。
| 要素 | 何をするか | 動画で挙がった例 |
|---|---|---|
| リソース | 必要な人手をそろえる | 採用 |
| 意思決定 | 目的をToDoに変える | タスクを作る、どんなプロジェクトをやるか決める |
| アラインメント | 目的からのずれを直す | 進み具合の確認、定例会議 |
| 学習 | できないことをできるようにする | マニュアル(学習の支援)、調べる、AIに聞く |
自分の事業で、この4つのうち一番弱いところを見つけるのが、区分1のゴールです。
○ 関係する単元:4つのうち意思決定の中身は No.07。ずれにくい仕組みの話は No.04 から続きます(後で出ます)
目的に届くための要素は4つ。人手、何に使うかの決定、ずれの修正、できるようになること。
動画では、よく言われる「ボトムアップ」についても触れています。 ボトムアップは、下から意見を上げていくことです。みかみさんは、これを否定していません。ただ、使いどころを分けています。
ボトムアップがあるのは、情報の吸い上げとしてです。 下の人が現場で気づいたことを、上に伝えるのは大事です。動画の例では、サッカー部で、ベンチに入らない部員が「相手のキャプテンがけがをしているようです」と伝え、それを聞いた監督が作戦を組み立て直す、という場面があります。
一方で、目的に向けた意思決定は、上からされないとうまくいかない、と言っています。 下の人が、それぞれ自分の見えている範囲で決めても、大きな目的にぴったり合う可能性は低いからです。見えている世界が違う、と動画は表現しています。
下にいた人が上に行くことは、みかみさんの会社でもよくあると言っています。 それは、その人が抱える意思決定の量が、上の人を超えたからです。
「下がうまくやってくれるから、上はやることがない」ということは、ありえない、とも言っています。 上に行くほど、意思決定の大きさは大きくなります。1回の判断の影響が大きくなるので、考えることの量も増えていきます。みかみさんは、そこが面白い所だとも話しています。
組織は楽になるもの、というイメージを持つ人もいますが、動画は逆の見方をしています。
サッカーがうまい人が、そのまま良い監督になれるとは限りません。動画は、この話を使います。 理由は、能力の優劣ではなく、扱っている目的の大きさが違うからだ、と言っています。
みかみさんは、自分のYouTube動画の例で説明しています。 動画を1本作る作業そのものは、担当の人のほうがうまいことがあります。でも、その1本が事業全体でどんな意味を持つかを考えるのは、みかみさんのほうです。 担当の人は、自分の持ち場に力を集中しています。上の人は、全体を考えるために、広い範囲に力を使っています。集中する場所が違う、という話です。
そして、まとめがあります。 トップダウンで、十分なリソースで、適切に意思決定して目的を分配し、分配した目的がずれないように、どう変換されているかを追いかける。そうすれば、大体どんな目的も達成できる、と動画は言っています。
動画の最後のほうで、みかみさんは、組織作りの初期から決めていたルールを、一言だけ話しています。 人間は弱いので、ごまかせないようにしないと、弱さが出てしまう。だから、人の弱さが悪さをしない仕組みと、自発性を持たせる仕組みが基本だ、という話です。
この続きは、No.04 以降で扱います。 ここでは、「4つの要素に加えて、人の弱さに合わせた仕組みが要る」と、頭の片すみに置くだけで十分です。
○ よくある勘違い:「ボトムアップは意味がない」ではありません。情報を上げるのは大事で、目的に向けた決定は上から、という分け方です
○ あなたの事業での「上」:家族経営では、その事業の目的と目標を決める人のことです。多くの場合はあなたです。1人で回している事業なら、あなたが「上」と「担当」を両方やっています
○ 補足:動画には、会社の過去の話も出てきます。この講座では使いません
自分の事業を1つ選び、4つの要素を1行ずつ書きます(10分)。 訪問介護・ダンススタジオ・Kindle出版・コンテンツ販売から選んでください。
訪問介護で考える時は、利用者さんなど本人が分かることは書きません。 ヘルパーさんは役割で書き、名前は出さないでください。
問1 動画で、目的を達成するために必要な要素として挙がっているのはどれですか。
問2 動画では、サッカー部が「楽しむことが目的になってしまう」例が出ます。これは4つのうちどれを保つ話ですか。
問3 動画の整理で、「マニュアルを作ること」はどの要素にあたりますか。
問4 ボトムアップについて、動画の考え方に近いのはどれですか。
出典:みかみ『【管理職必見】マネジメントでこれ知らないと組織は崩壊します...。一年で300名規模の組織を作り上げたみかみ式組織論』(YouTube, 2025-08-09, https://www.youtube.com/watch?v=q1TH3WWxu_4)