この単元で「ルール」と呼ぶのは、組織の中で「これは守る」と決めた約束です。「毎日報告する」「時間を守る」のように、人の行動を決めるものを指します。
みかみさん(発信者)は、このルールを「ない方がいい」と考えています。みかみさんの会社(Addness。ゴール管理ツールを作っている会社)で守ることになっているルールは、1つだけだそうです。
ルールを作ると、それをくぐり抜ける人が出ます。すると抜け道をふさぐ新しいルールが要ります。そのルールにもまた抜け道が見つかります。
終わりのないこの繰り返しを、動画では「いたちごっこ」と言っています。第1章で、なぜこうなるのかを見ます。
動画のみかみさんの会社は、業務委託(会社と雇用関係を結ばず、外部の契約で働く人)が前提だと分かる話し方をしています。「雇用」は、会社が雇って働いてもらう形です。
あなたの訪問介護のヘルパーさんは、雇用しているスタッフです。この違いは大きいので、この講座では「雇用しているスタッフ」と「業務委託(外部の契約メンバー)」を、必ず書き分けます。
この単元には、似た2つの決まりが出てきます。
「ルールを少なく」は、1つ目の話です。就業規則をなくす・減らす話ではありません。
○ 関係する単元:No.05(褒める・叱るの使い分け。後で出ます)、No.06(評価の順番。後で出ます)
○ この単元は、No.05とNo.06の土台です。ルールだけでは足りず、あとの2つと組み合わせて初めて回る、とみかみさんは言っています(第2章③)
みかみさんの出発点は、ルールは悪用されるものという考えです。ルールを作った人より賢い人がいれば、その人はルールの穴を見つけて使います。
だから、ルールで悪いことを防ごうとする考え方そのものが間違いだった、とみかみさんは振り返っています。会社が大きくなるとルールを増やしたくなります。けれども増やしても、いたちごっこになるだけです。
もう1つ、みかみさんは「ルールを上手に使えるのは、ルールを理解できる人だけ」とも言っています。ルールが複雑になるほど、使いこなせる人だけが得をします。真面目に守る人が得をする形には、なりにくいのです。
ルールが増えると、それを読み解く専門家が必要になります。みかみさんは、法律で弁護士が必要になることを例に出しています。
たとえ話も面白いので紹介します。もしレストランに「注文の仕方の専門家」がいたら、いらないですよね。その時間があるなら、おいしい料理をもっと作る方がいい、という話です。
みかみさんは、ルールは作れば作るほど非効率になると考えています。そのため、できる限りルールを置いていません。
動画では、何時に来て何時に帰ってもよい会社として、みかみさんの会社の話が進みます。出社や退社の時間の決まりはない、という前提です。
その場合、本人が自分で頑張らないと難しくなります。だから「ダメな人はダメになる」とみかみさんは言います。続かない人は、自然に残らなくなる、という見方です。
反対に、「何時から何時までは席にいてください」と決めるとどうなるか。みかみさんは、その時間の間だけ「いるだけの人」が生まれる、と言います。時間を決めても、成果にはつながりません。
創業のころは、時間で縛るべきか、評価の基準を細かく作るべきか、いろいろ迷ったそうです。それでも「いらないな」となって、なくしていった、と話しています。
○ よくある勘違い:「ルールがない会社は、何でもありの会社」ではありません。みかみさんは、ルールがないと自分なりの考えを積まないといけなくなる、と言っています。決まりが少ない分、考える仕事は本人に戻ってきます
○ 雇用しているスタッフには、時間(勤務時間)の決めごとが別に要る場合があります。ここでの「時間で縛らない」は、業務委託の話として読んでください。詳しくはNo.05(後で出ます)と、専門家への相談で確かめます
みかみさんの会社のルールは、これだけです。周りの人の役に立つこと。その人にかけた迷惑以上に。
みかみさんは最初「ノールール」と言っていました。けれども後から、「ノールールではなく、ワンルールと言う方が正しい」と言い直しています。
なぜこのルールで足りるのでしょうか。みかみさんの説明は、次のとおりです。
2択の話は、動画の中でも大事な所です。与えられ続けると、何もしないでいる方が居心地が悪くなります。だから伸びる方に気持ちが向く、という仕組みです。
もう1つ大事なことがあります。みかみさんは、周りに与えてもらって座り続けながら、奪おうとする人もいる、と言います。そういう人は、周りの人から「邪魔だ」と感じられるので、見ていれば分かる、とも言っています。
その場合は、その人との契約を続けない、というのが動画の前提です。これは業務委託の話で、雇用しているスタッフには同じ扱いはできません。詳しくはNo.05(後で出ます)で説明します。
みかみさんは、ルールとは別に「自発性を引き出す仕組み」として、1つ目に「シンプルにすること」を挙げています。複雑だとごまかしが効きます。ごまかしが効くと、すぐに自発性が失われる、というのが理由です。
動画では「やるか聞くか」という合い言葉が出てきます。仕事を頼んだ時に、できるならやる。できないなら、聞きに来る。この2つだけです。
みかみさんは、やり取りを再現しています。
うまくいかない時は、やっていないか、聞いていないかのどちらかです。それ以外の理由は認めません。「この人には向いていなくて」「その日は体調が悪くて」という複雑な理由を持ち込むと、ごまかしが生まれるからです。
ToDo(やること)を出したか出していないか、という確かめ方も同じです。出していれば出した。出していなければ、出していない。ごまかしようがない形にしておきます。
みかみさんの会社は、上司と部下の2層だけだと話しています。部長や課長のように、段が何層もある形にはしていません。
報酬の決め方も、単純にしているそうです。上の人に「ありがとう」と言われた分が、そのまま報酬になる、という説明です。
みかみさんは、この単純さがあるから、300人ほどのメンバーをマネジメントできている、とも話しています。ただし報酬の数字や、仕組みの詳しい作りまでは、動画では説明していません。
過去を振り返った話もあります。みかみさんは、創業の初めのころから根本のルールは変わっていない、と言います。人間の弱さが悪さをしない仕組みと、強制的に自発性を持たせる仕組み。この2つが基本だそうです。
○ ワンルールだけで再現できるわけではありません。みかみさん自身が、ワンルールの再現性は低く見えるかもしれないと言い、あとの2つ(褒める・叱るの使い分け、評価の基準)を組み合わせると回るようになる、と話しています
○ みかみさんは「これだけでうまくいくとは思わない」「取り入れられる部分を取り入れてほしい」とも言っています。全部をそのまま真似する必要はありません
○ 関係する単元:No.05(褒める・叱る)、No.06(評価の順番)。どちらも後で出ます
ルールの中でも、「やってはいけないこと」は特に少なくします。みかみさんは、極限まで少ない方がいいと言っています。
理由は2つあります。1つ目は、管理しきれないからです。やってはいけないことをやったかどうかは、見えにくいものです。ルールが多いと、必ず見逃します。
2つ目は、ルールが多いと、抜け道ができるからです。この見方は、第1章①と同じです。
みかみさんの会社で「やってはいけないこと」は、ほぼ1つしかありません。人から奪うことです。動画では、与えること(ギブ)の反対にあたる、「テイク」と呼んでいます。
動画に出てくる例は、預かっているお金や情報を、自分のために抜くようなことです。みかみさんは、これには必ず対応すると話しています。
この「テイク」が、ワンルールの裏側にあたります。「周りの人の役に立て」の反対が、人から奪うこと。だから、やってはいけないことも、新しく作らずに済みます。
みかみさんの会社でも、「朝礼に来ない」を、やってはいけないことに入れることはできます。でもそうすると、寝坊した時に言い訳が立たなくなります。そう考えて、入れずに数を少なく保っています。
別の言い方をすると、どこまでを「やってはいけない」にするかは、組織の文化で決まります。みかみさんは、「ToDoを出さないのを怖がらせる組織にするのか、出したら偉いと褒める組織にするのかは、文化次第」とも話しています。この褒め方の話は、No.05(後で出ます)で扱います。
ここからは動画の話ではなく、この講座からの提案です。あなたの事業のルールは、3つ以内に絞ります。
3つに絞ると、一人ひとりが覚えられます。破ったかどうかも見えやすくなります。
雇用しているスタッフ(ヘルパーさんなど)を雇っていると、事情が変わります。法律には、就業規則の決まりがあります。常時10人以上の労働者を使う使用者は、就業規則を作って労働基準監督署に届け出る義務があります。
これは、この単元の「3つ以内」とは別の書類です。「ルールを少なく」は、チームに伝える行動の約束の話です。就業規則を3つに絞る話ではありません。
○ 2026-11-05時点で公式ページで確認:就業規則の作成と届出の義務(常時10人以上の労働者を使う場合。労働基準法第89条)。出典:e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
○ 自分の事業に当てはめる時は、社労士など専門家に確認してください。法律の詳しい注意は、No.05(後で出ます)にまとめて書きます
○ よくある勘違い:「ルールを3つにしたから、就業規則はいらない」ではありません。人数が条件に当たるかどうかは、専門家に確かめます
ルールは悪用され、増やすほど非効率になる。だから「周りの人の役に立て」を軸に、単純にする。やってはいけないことは、人から奪うこと(テイク)に絞る。雇用しているスタッフの就業規則は別の話。
自分の事業を1つ選び、「3つ以内のルール」を書いてみます(10分)。例は、Kindle出版の外注先、ダンススタジオの講師さん、コンテンツ販売のチームなどです。
介護の仕事を選ぶ時は、利用者さんの名前など、本人が分かることは書きません。雇用しているスタッフに伝える約束は、書いた後に専門家へ確かめます。
問1 みかみさんが「ルールは少ない方がいい」と考える理由として、動画に合うものはどれですか。
問2 みかみさんの会社の「ワンルール」と、その考え方の説明として、動画に近いものはどれですか。
問3 「やるか聞くか」の考え方として、動画に合うものはどれですか。
問4 あなたの事業のルールを決めます。この単元の考え方に近いものはどれですか。
出典:みかみ『【必見】ただの大学生が3年で30億稼いだ独自の経営方法!参考にするだけで稼げる。』(YouTube, 2025-03-21, https://www.youtube.com/watch?v=X3jY8IyHwHo) 出典:みかみ『【経営者必見】東大生社長みかみ流「勝手に成長する組織」の作り方!平均年齢26歳の組織が年商25億を生み出す理由!』(YouTube, 2025-09-18, https://www.youtube.com/watch?v=E_WQNi71htg) 出典:みかみ『【管理職必見】マネジメントでこれ知らないと組織は崩壊します...。一年で300名規模の組織を作り上げたみかみ式組織論』(YouTube, 2025-08-09, https://www.youtube.com/watch?v=q1TH3WWxu_4)