この講座の「組織」は、会社の大きさや形のことではありません。 みかみさん(発信者)の定義は、「共通の目的を達成するための集団」です。動画では、これが大前提だと言っています。
同じ場所に人が集まっていても、目的がそれぞれ別なら、この意味の組織ではありません。 反対に、2人だけでも、同じ目的に向かっていれば組織です。 あなたの事業なら、家族と数人のスタッフで回っているチームも、同じ目的を持っていれば組織と呼べます。
ToDo(トゥードゥー)は、やることや作業のことです。 「紹介文を1本書く」「体験の連絡を返す」のように、1人が実際に手を動かす単位をイメージしてください。
コミュニケーションコストは、人と人が話したり、教えたり、確認したりするのにかかる手間のことです。 お金のことではなく、時間と頭の疲れのことだと考えてください。
この単元のもう1つの主役は、この伝える手間です。 人が増える「得」と「損」を、この2つの言葉で見ていきます。
この単元は、組織が何かと、人が増える得と損までを扱います。 目的を達成するために何がそろえばよいかは No.03、ルールは No.04、褒め方は No.05、評価の順番は No.06 で扱います。ここでは先取りしません。
○ 関係する単元:No.01(みかみさんの歩みと、何のために事業をやるか)。読んでいなくても、この単元は読めます
○ みかみさんは、数字つきの話もしています(例:スタッフは300人を超えている)。この単元では、字幕に出てきた数字だけを、字幕のとおりに使います
動画では、まず「組織」の意味をそろえています。 人によって意味が違うので、最初に決めておく、という進め方です。
分かりやすい例が、受験と部活です。 受験は、学校で同じ教室にいても、目指すものは一人ひとり違います。自分の行きたい学校があり、全員が同じ目的を持っているわけではありません。 一方、サッカー部が全国大会に行くのは、全員が同じ目的に向かっています。だから、これは組織です。
つまり、組織かどうかを分けるのは、人数ではなく「同じ目的を持っているか」です。 組織とは、共通の目的を達成するための集団。この言い方は、そのまま覚えてください。
もう1つ、みかみさんが強調しているのは、続くかどうかです。 ちゃんと回っている組織は、みんなが楽しそうで、幸せそうで、みんなが良くなっている、と言っています。「みんなが良くならないと組織とは言わない」とも言っています。
大きな会社が長く続いているのも、お互いに良くなる形で回っているからだ、という見方です。 反対に、そうなっていない組織は、たいてい壊れる、と言っています。
ここで、動画は少し幅のある見方もしています。 命令が絶対の組織もあれば、とても自由な組織もあります。やり方はいろいろあり、人の性質や学んできたことで、合うやり方は変わります。 どれが正しいかを決めるのではなく、「一番大事なのは、みんなが良くなること」という点だけは共通だ、という話です。
動画の最初に、組織づくりが価値の高い仕事だという話があります。 組織に入ってくる人は、一人ではうまくいかなかった人が多いはずだ、と言っています。その人をうまくいかせるのは、とても良いことだ、という考えです。
あなたの事業でいえば、スタッフや外部の協力者が「ここで働いてよかった」と思える形を作ることが、組織づくりの出発点になります。 深く考えこまなくてよい部分です。「組織は、人を良くするためのものでもある」という点だけ、頭に置いてください。
○ よくある勘違い:「人が集まっていれば組織」ではありません。目的が共通かどうかが基準です
○ 「組織は楽をするためのもの」というイメージも、動画は否定的です。人が増えると、決めることや考えることの量は増えていく、と言っています(詳しくは No.03)
組織は、共通の目的を達成するための集団。みんなが良くなる形でないと続かない。
では、組織にはどんな強みがあるのでしょうか。 動画で、みかみさんは聞き手にこの質問をします。聞き手は「1人だと限界があるので、人に任せれば自分の仕事に対して力を何倍にもできる」と答えます。
みかみさんの答えは、少し違いました。 強みは、取れるToDoの量が増えることです。人が1人増えれば、やれることは絶対に増えます。 たとえ話もあります。呪文を唱えられる人が2人いれば、同時に2つの呪文を唱えられます。人が増えれば、同時にできることが増えます。
そして、みかみさんは「これ以外に強みはない」と言い切っています。 だから、組織はこの強みに合わせて作らなければいけないのに、多くの人は分かっていなくて、適当に作ってしまう、と言っています。
ここで注意があります。 やれることは増えますが、それが「合っているか」は別の話だ、と動画は言っています。
動画編集の例が出てきます。 人を増やせば、編集できる本数が増えるように思えます。でも、実際に編集者を使った経験を聞かれて、聞き手は「確認や修正の連絡のほうが多かった」と答えています。みかみさんも「謎だよね」と受けています。
つまり、人が増えても、きちんとした品質の成果がそのまま増えるとは限りません。 大きなプロジェクトが進まなくなったり、うまくいかなかったりするのは、この「合っているか」がそろっていないからです。
動画では、今はAIがある時代だという話にもなります。 少人数でもAIを使えば、大きなことができるかもしれません。それでも、人が増える強みは「やれることが増える」こと、と言っています。
AIを使う人が2人になれば、その分だけ同時にできることが増えます。 だから、AIがあるから組織は要らなくなる、という話ではありません。ただし、AIが組織の弱みを減らす助けになる、という話は次の章で出てきます。
○ 関係する単元:増えたToDoが「合っているか」をどう確かめるかは、No.03(目的からずれないようにすること)と No.07(目標から作業に分ける)で扱います(後で出ます)
人が増える得は「やれることの量が増える」だけ。その量が合っているかは別に考える。
組織の弱みを、みかみさんは「致命的」と言っています。 それが、人が増えるほど伝える手間(コミュニケーションコスト)が増えることです。
動画の数え方は、こうです。 AさんとBさんの2人なら、話をつなぐ線は1本です。 ここにCさんが入ると、Cさんを含めた線が2本増えます。さらにもう1人入ると、3本増えます。4人から5人になる時は、4本増えます。
まとめると、n人からn+1人になると、伝える手間はn本増えるです。 人が1人増えるたびに、増える本数も大きくなっていきます。ここは数え方が分かれば十分です。難しい式は出てきません。
伝える手間が増えると、実際にこんなことが起きます。動画で挙がった例を、そのまま整理します。
みかみさんは、全部の組織がうまくいかなくなる原因は、これだと言っています。 そして、組織との戦いは、伝える手間との戦いだ、とも言っています。
昔から、この手間を減らすために、いろいろな組織の形が考えられてきました。 その1つが、ピラミッド型です。
ピラミッド型では、1人が伝える相手を、上と下の限られた数に絞れます。 動画では、4人だけ伝えればよい形のたとえが出てきます。反対に、あちこちがつながってぐちゃぐちゃになると、手間が大きくなります。 上司を飛び越えて話すのを禁止する会社があるのも、伝える手間を増やさないためだ、と動画は説明しています。
もう1つが、AIです。 みかみさんは、手間を減らす方法を人類は持っていなかったが、最近「言葉を話すシステム」ができた、と言っています。ChatGPTのようなものです。 このおかげで、伝える手間を大きく下げられた、というのが動画の見方です。
動画では、みかみさんの会社で半年ほどで150人ほど人が増えた、という話もあります。そのうえで、伝える手間は相当大きいはずなのに、会社は耐えている、と話しています。 AIが何をどう下げているかの細かい中身は、この動画では説明されていません。ここは、動画の見方として知っておく程度で大丈夫です。
○ よくある勘違い:「ピラミッド型は古い」「フラットなら楽」という話ではありません。動画は、形ごとに伝える手間がどう違うかを見ています
○ 家族経営の事業で考える時:人が少ないうちは線の数も少ないので、まだ気づきにくい手間です。人が1人増える前に、数えておく意味があります
人が増えると、伝える手間(n人からn+1人でn本)が増える。ピラミッド型とAIは、その手間を減らす工夫。
自分の事業を1つ選んで、組織としての今の形を書き出します(10分)。 事業は、訪問介護・ダンススタジオ・Kindle出版・コンテンツ販売から選んでください。
訪問介護で考える時は、利用者さんの名前など本人が分かることは書きません。 ヘルパーさんは「ヘルパーさん」、利用者さんは「利用者さん」のように役割で書きます。
問1 動画の「組織」の定義に合うのはどれですか。
問2 みかみさんが「組織の強みは、これだけ」と言っているのはどれですか。
問3 4人の組織に1人加わって5人になりました。動画の数え方では、伝える手間はどう変わりますか。
問4 伝える手間(コミュニケーションコスト)を減らす工夫として、動画で挙がっているのはどれですか。
出典:みかみ『【管理職必見】マネジメントでこれ知らないと組織は崩壊します...。一年で300名規模の組織を作り上げたみかみ式組織論』(YouTube, 2025-08-09, https://www.youtube.com/watch?v=q1TH3WWxu_4)